ゾンビのように下を向いて仕事をしているあなたへ。タイトル「人間っていいな」

お笑い芸人の千鳥の大悟さんは言った。

生まれ変わったら、ハエになると思って今を生きている

「自分のやりたいことって何なんだろうか…」

と、わからなくなった時にはこの言葉を思い出すようにしている。


普段、健康に何の問題もない状態で忙しさに追われていると、

自分の人生にタイムリミットはなくて、自分の人生がいつまでも続くものだと思い込んでしまう。

「まだ人生の半分もきていないし」

「人生100年時代だから焦る必要はない」

「将来の幸せのために今は我慢だ」

そんなふうに。

けれど、自分の人生を振り返ってみると、「もうこんな歳になってしまったのか」と感じる時がある。

やりたいことが何かを考えずに、ただ社会の“当たり前”の流れに乗っかって生きていると、おじいちゃんおばあちゃんになった時に、

「もうこんな歳になってしまったんじゃのう…」

「ああ、若いうちにもっとやりたいことをやっていればよかったなぁ…」

と思うに違いない。

お金が貯まったらあれしたいな、とか、定年になったらこんなことをしよう、とか。未来に希望を持つことも大切だし、夢があれば今日もがんばろって思えることもある。

だけど、「今、将来やりたいと思っていること」が「将来の自分がやりたいこと」と同じである保証なんてない。やりたいことがやりたいことじゃなくなるのって、すごくもったいないと僕は思う。

そもそも人生に絶対なんてないから、おじいちゃんおばあちゃんになれるかどうかすらわからない。


生まれ変わったら、ハエになると思って生きる。

来世、ハエになるなら、今何をしておきたいだろうか?

人間として生まれてきたからこそできること、やりたいことは何だろうか?

友達と涙が出るほど大笑いしたり。

楽しい時は歌ったり踊ったり。
人や動物の命の恩人になったり。
この世に無から有を生み出したり。
何千年と先人たちが積み上げてきた学問を学んだり。
愛する人を見つけ、愛し愛されたり。
自分の好きなものを好きなだけ食べたり。

人間だからこそできること、やりたいことはたくさんある。

ハエになってしまったら、「来世人間になったら何をやりたいかな?」って考えることすらできなくなってしまう。

それなら、今生きている時に、人間だからこそできることを考えて、悩むこと自体も楽しんでいきたい。


「ああ、若いうちにもっとやりたいことをやっていればよかった」なんて絶対言いたくはない。

人生の中で、やりたいと思った“今”が1番若いんだから、将来の自分から見たら、今の自分は何だってできる。

今、やりたいことをやる。

重い期待やしがらみ、不安、ストレス、恐れ。世間に揉まれ、それに打ち勝つことも人間として大切なことかなのかもしれない。

本当の自分を押さえ込み、空気を読んで生きることこそが社会に適応するということなのかもしれない。

けれど、生まれ変わったらそんな今と同じように生きたいだろうか?

“今“の自分は、なりたい自分になるための道を歩んでいるのか?


「今の自分、人間満喫できてるかな?」と定期的に立ち止まって考えると、明日が待ち遠しくなるし、自分の進みたい道も見えてくる。

今の10代は知らないのかもしれないけれど、昔によく聴いた『にんげんっていいな』の曲が心に染みる。